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2019年 求められる製薬会社・MR像とは?

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MRの将来性

2019年が明けました。2018年に続き激動の時代が予想される製薬業界。2019年10月には消費税10%増税に伴い、本来2020年4月に行われる薬価改定が行われます。昨今の薬価制度抜本改革により、製薬会社への風当たりは2019年も相当悪くなることが予測されます。 そこで現状を踏まえた上で、2019年製薬会社MRに求められる姿についてまとめてみました。

訪問規制強化が進む医療機関。アポイントシステム「Dr.JOY」を導入する医療機関が急増!

ここ数年で医療機関の訪問規制は本当に進みました。数年前までは好きな時間帯に医局前に突っ立っていて昼休み前や診療終わりのDrを狙っては自由に面会が出来ていたものが、どの医療機関もこぞって「完全アポイント制」を敷き、病院の廊下で就業時間を潰していたMRの大半は仕事を奪われました。

 

特に最近導入が進んでいるのが医療関係者へのアポイントシステム「Dr.JOY」(ドクタージョイ)です。Dr.JOYとは医療機関の医師や薬剤師のアポイントやMRの医療機関への入退出を管理するシステムを開発した会社の名称です。私が担当するエリアだけで2018年に3件が新たに導入を致しました。

 

これによって「暇になった」と言うMRが多くおります。しかし私はこれは逆にチャンスだと思っております。それは意外と今まで廊下で立ちんぼをしていても面会が出来なかった医師が、このシステムを使うことでアポイントが返ってくるようになったからです。

 

またアポイントを取ることによって、医師や薬剤師側も廊下で捕まえる時よりも格段に構えてくれてます。ですのでその暇になった時間をしっかりとアポイントに向けた事前準備に費やせば良いのです。私は正直このDr.JOY」が導入されたことで、面会の質が格段に上がったと考えておりますので、アポイントシステムの導入はむしろチャンスであると思います。

 

これをピンチと思うかチャンスと思うかで、今後のMR活動の在り方が大きく変わってまいります。

情報提供の規制が増す製薬会社MR その中でも求めれるMR

その一方でMRが情報提供出来る情報の質にも限界が訪れております。正直一昔前までは、「文献屋」と呼ばれているMRがいるくらい、毎日文献を持ち歩いて配っているMRもおりましたし、ひどいMRとなると自作スライドで説明会まで行なっておりました。

 

しかし最近は「文献提供の禁止」(※医師から求められられた際には提供可能)、適応外の情報提供や学会情報はMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)が情報提供、MSLが同行訪問して、そのような話をする際にはMRを席を外さなければならない、説明会スライドも会社から提供されたものののみ、会社によっては自己紹介スライドの作成すら許されていないところもあります。

 

今のMRは添付文書や製品パンフレットでしか情報提供が出来なくなってしまったのです。ただ医師や薬剤師はありきたりの情報はネットで調べられますので、現場ではそれ以上の情報提供を求めているのが現状です。

 

情報提供に限りがある中で、文献提供の求めがあれば文献を提供することは可能になっております。これも今後規制強化がされる可能性もありますが、出来るうちはこれをいかに引き出せるかが今後医療関係者から求めれる製薬会社MRになります。

 

このように医師が求めていることを引き出す以外に、社内外の利害関係者を巻き込んだMR活動もこれからは評価されます。社内外の利害関係者とは、本社の人間(マーケティング・お偉いさん)やMSL(メディカルサイエンスリエゾン)、学術担当、昔の担当MR、コ・プロモーションメーカーのMR、特約店卸のMSなどです。これら社内外の利害関係者を全てを巻き込んで仕事が出来る方が医師や薬剤師から評価されている印象が有ります。やはりそのような方は成績が良いとも聞いております。

 

出来ることが限られている今、社内外の使えるものは使っていく!このような気持ちでやって行きましょう!

これから求められる製薬会社とはどのような薬を扱っている会社か?

高齢者の増加により国民医療費の高騰が続いております。平成27年から平成28年にかけて41.5兆円から41.3兆円に微減したものの、依然高い状態が続いております。2025年までに国民医療費は54兆円にまで膨れ上がることが予測されております。いわゆる「2025年問題」です。

 

そこで今注目されているのが、予防医学です。ホリエモンこと堀江貴文さんも推奨していることで知られておりますが、医療費高騰の要因の一つとなっております「生活習慣病」は、今後予防する時代に突入することは間違いありません。

 

大半の製薬会社の売り上げを占めております高脂血症・高血圧・糖尿病・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの「生活習慣病薬」は厚労省からの締め付けを受ける可能性が十分にあります。ただでさえ売れているこれら生活習慣病薬は、今後大幅な薬価引き下げを受けることが予測されております。

 

また生活習慣病薬は競合がしのぎを削るくらい溢れており、特に糖尿病治療薬のDPP4阻害薬やSGLT2阻害薬は同じような薬剤が多く、情報過多でもあります。薬剤の最新情報にも限界が来ており、今後これら生活習慣病薬の情報はデジタル(AI)に置き換わっていくでしょう。

 

ですので今後生活習慣病薬がメインの製薬会社は淘汰されていくでしょう。今後求められる製薬会社とはご自身の生活習慣が原因で発症する病気の薬ではなく、なりたくてなったわけではない病気、いわゆる希少疾病の薬やがんの薬を扱っているメーカー、パイプラインにそれらがあるメーカーは医療関係者や患者からも必要とされます。

 

医薬情報誌やネット関連の記事を色々検索してみてください。今後必要とされる製薬会社は、「バイオ医薬品」と「オンコロジー」の薬を持っているメーカーであることは間違いありません。生活習慣病ではなく、難治性の疾患で困っている多くの患者を救うことが製薬会社、またはMRの使命であります。これが本来の製薬会社・MRの姿ではないでしょうか。

プライマリーの薬を扱っている製薬会社は何をすれば良いのか?

上記の状況から考えてプライマリーの薬剤のみ扱っている製薬会社は、2019年以降も益々厳しくなるでしょう。「自分はMRの専門性を高める!」と言って製品知識や自社医薬品の周辺知識の向上に自己研鑽されている方がいらっしゃいますが、この先行き不透明な時代に自社医薬品に関することばかり勉強するのはリスクが高いです。それよりも今のうちに他の会社に行っても潰しが効くことを勉強する方が、より自分の将来のために得るものがあります。

 

2019年4月からは「働き方改革関連法」がスタート致します。それに向けて世間からの注目度も高く、一部上場企業が多い製薬会社各社は、すでに多くの会社では対策をスタートさせてます。

 

一部の会社では就業時間を厳しく規制致しました。9時前に会社に来てはいけない、前の日に講演会や社内臨床講座などがあれば、終わった時間から11時間のインターバルを空ける、19時以降会社にいてはならない、残業する場合は申請書を出す、など製薬会社も「働き方改革」が進んでおります。製薬会社MRの方ご自身も変化する時に直面しております。

 

そこでご提案です!今まで無駄とも言える残業や、病院での立ちんぼを行なっていた時間、そして就業時間の前後の時間を、いざという時の備えの為に自己研鑽する時間に使いませんか? 

 

スキマ時間の活用法や製薬会社MRに今後必要な資格についての記事を書いてますので、こちらもお読み頂けますと幸いです。

製薬会社MRはスキマ時間を有効活用しよう!
製薬会社MRのみなさま、もう会社は個人の雇用を定年まで保証してくれない時代になりました。ならばリストラが始まる前にスキマ時間を活用して「読書」や「資格取得」をして、いざ転職することになった時のためにスキルアップしておきましょう!
製薬会社MRに今後必要な資格とは?パート1
いざリストラが発表された時に、「MR認定証」しかなかった…そんな方を多くお見かけして参りました。そこで最近は何か資格をと資格を取得する方が増えてきておりますが、製薬会社MRが転職するにあたりポータブルスキルとして活用出来る資格をご紹介!
製薬会社MRに今後必要な資格とは?パート2
製薬会社大手から次々とリストラが発表される昨今、製薬各社にお勤めの方、MRの方は自分磨きをしておりますか?いざリストラが発表された時のために「持っていても良かった!」「今すぐ取得するべき資格は?」について、私の経験からご紹介!

どの製薬会社に勤めていても、早期退職(リストラ)への備えは絶対にしておいた方が良い!

ただしバイオ医薬品やオンコロジーを扱っている製薬会社に勤めているからといって決して将来が安泰とは言えません。ノーベル医学賞で世間を圧巻した「オプチーボ」は薬価改定時期に関係なく、大きく薬価を引き下げられました。世の中に大きく貢献したことに関係なく、現在の薬価制度抜本改革では売れれば売れる程、薬価が下げられる仕組みになっております。その薬価制度抜本改革のポイントは以下の通りです。

 

①新薬創出等促進加算の見直し:薬価の引き下げを猶予する対象品目を大幅見直し→2016年の823品目から2018年は560品目まで絞り込み

②費用対効果評価の導入:薬価に見合う効能があるかを分析・評価し薬価を引き下げ

③長期収載品薬価の見直し:ジェネリック発売から10年経過した先発品の薬価引き下げ

④毎年薬価改定の実施:今まで2年に1度だった薬価改定が2021年以降毎年実施

 

これによって新薬を出し続けない限り既存品に依存している製薬会社の存続は益々厳しくなり、結果固定費(給与)が高いMRがリストラの標的に合うことになります。ただ新薬を出し続けても「オプチーボ」のように薬価改定に関係なく薬価引き下げにあうケースもありますので、バイオ医薬品メーカーやオンコロジーメーカーであっても現在は安泰とは言えないご時世となりました。

 

どの製薬会社にお勤めでもリストラ(早期退職)を実施する可能性は十分に高いと言えます。2018年は現に売り上げ好調でもリストラを断行した会社がいくつか有りました。ノボノルディスクファーマやノバルティスファーマが典型です。これらの会社は現在の売り上げは比較的好調ですが、2018年以降の薬価制度抜本改革から先行きを見越してリストラ(早期退職)を断行したと聞いております。

 

他の記事でも強調させて頂いておりますが、いざ自分の会社でリストラが断行されても良いように転職サイトに登録されることをおすすめ致します。早めに転職サイトに登録し、エージェントから意見をもらうメリットとしては、

 

①いざリストラが行われた時に、早めに動くことができる

②今の自分の市場価値を第三者(転職エージェント)通して知ることができる

③履歴書・職務経歴書を書くことで、今までの自分の仕事ぶりを改めて認識することができる

④今の会社に残って出世を目指すべきか、他社に行ってスキルアップを目指すかの軸を持つことができる

 

などその他にもメリットは有りますが、いざという時のためのバックアップを持っておくことは安心感にも繋がります。ぜひリストラが行われる前に転職サイトに登録しましょう!

 

製薬会社・MRのおすすめの転職サイトに関して記事を書いてます。転職サイトによって特色が異なりますので、こちらをご参考にして頂けますと幸いと存じます↓

【コロナ禍】MRの転職におすすめのエージェントやサイトは?転職歴4回の私が厳選するおすすめ8選!
2018年から始まった薬価制度抜本改革とコロナ禍の影響で製薬会社でのリストラは今後加速度的に増えていくことが予測されます。コロナ禍でやりがいを失ったMRの中には「転職」を考えている方も少なくありません。そこで転職歴4回の私がMRの皆さんにおすすめする「転職サイト・エージェント」をご紹介致します。

以下製薬会社MR向けの転職サイトです。複数登録してエージェントから様々な方向からの意見を聞きましょう! 

転職に踏み切れないのであれば、社内の異動希望に踏み切りましょう!

MR不要論が叫ばれている昨今、会社がリストラ(早期退職)を行っても、いつまでも同じエリアでMRを続けるのはこのご時世大変危険です。リストラを行った会社は第二弾、第三弾とリストラを断行する会社もありました。サノフィ・MSDが良い例かと思います。その時は同じエリアでMRを長く続けていてそれなりの成果を残している方でも標的にあう可能性が十分にあります。変化への対応力がないとみなされるからです。

 

いざそのような境遇にあった時、今の会社に残ることを決めたのであれば、社内の異動希望が通るなら、今のうちに他部署への異動願いを出しておくことを強くおすすめ致します。色々な部署を経験しておくということは、ただMR経験しかないというよりは、いざという時にどこの会社に行くにしても潰しが効くからです。

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2019年 製薬会社MRの求められる姿とは? まとめ

ダーウィンの有名な言葉にこんな名言があります。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。」

 

薬価制度抜本改革によって2018年以降、国は医療費削減に躍起です。そのしわ寄せが製薬会社にきておりますが、その製薬会社も断腸の思いでリストラ(早期退職)を断行しております。会社も変わろうと必死に努力しております。その変化に対応出来ないMRは淘汰されていきます。

 

2019年も激動の年になります。その環境の変化にいかに順応するか?ご自身も変化しなければなりません。ダーウィンの名言にも有ります通り、どんなに良い実績を上げていても、いつまでも古い営業スタイルに固執して環境の変化に順応しなければ、必ずリストラの標的に合います。私はそんな「自意識過剰」な方で、いざリストラの標的にされて路頭に迷う方を多く見てまいりました。

 

そうなって欲しくないためにも、上記でご紹介致しました「備え」を気が付いた今のうちから始めましょう!これからは変化に対応する方のみが生き残ります!

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