2019年5月1日より新元号「令和」となりました。
その前の2019年4月からは「働き方改革関連法」や「医療用医薬品の販売情報提供ガイドライン」も施行され、今まで以上に製薬会社MRの仕事内容が大きく変化してきております。
また「薬価制度抜本改革」により、薬価改定が毎年行われる可能性もあるため、製薬業界を取り巻く環境も日々変化しております。
新元号「令和」に変わり、これから活躍されるMRの方もいれば、「平成」に取り残される方もいるでしょう。
そこで「平成」に取り残されないために、これからの「令和時代」に活躍できる製薬会社MRの条件について考えてみたいと思います。
「令和」はデジタルコンテンツを使いこなせるMRが生き残る!
数年前からMRの間では盛んに「デジタル」と言う言葉を耳にするようになりました。
各社とも盛んに顧客である医師や薬剤師のメールアドレスを聞き出して、自社のメルマガ配信や自社製品の関連疾患のコンテンツをメールに送るサービスを展開するようになりました。
その背景には「医療機関の訪問規制の強化」があります。訪問規制の強化により医師や薬剤師とのコンタクトが一昔前と比べると一気に取れなりました。
そこで各社考え出したのが「デジタルコンテンツ」、または会社によっては「デジタルツール」とも読んでおります。
今までのように頻回に面会出来ないのであれば、メールを使って情報提供しよう、そう考え出されたのがこの「デジタル」です。
デジタルの中身としては各社ホームページとは別に疾患に絡めたWebサイトを開設してそのコンテンツに誘導しようとするもので、最新の学会情報からWeb講演会、さらには簡単な製品紹介まで多岐にわたっております。
最新のコンテンツが更新されたらその都度登録された医師や薬剤師にメールにて情報提供すると言うものです。これで製薬会社MRが面会出来なくなった分の面会回数や面会の質を補おうとするのが「デジタル」です。
また「デジタル」には「リストラ対策」の意味合いもあります。今後製薬会社MRの数は確実に減ることが予測されているため、その時のリソース(情報提供)を「デジタル」で補完しようという各社の思惑も絡んでおります。
しかしこの「デジタル」を悲観ばかりはしていられない状況です。私の会社でも盛んに「デジタル」と叫ばれております(笑)
「デジタル」が取り入れられた当初は「人は顔を突き合わせてなんぼだ!」と言う頑固親父が多かったのも事実です。いまだに否定的な方も少なくありません。
ただすでにこの「デジタルコンテンツ」をうまく使いこなしているMRもおります。
「医療用医薬品の販売情報提供ガイドライン」施行によって、製薬会社MRの情報提供にはかなりの縛りが出来てしまいました。
そこで視点を変えてこの「デジタル」を活用して今までとは違うアプローチで情報提供をするというのも「デジタル」を活用する一つの手段となっております。
また「デジタルコンテンツ」を活用して、アポイントを同時に取得すると言うのもこの「デジタル」を使いこなす一つの手段でもあります。
今まで通って長時間医局の廊下で待って紹介したのが「Web講演会」の案内だけ、これも今は「デジタル」で案内できるようになっております。
正直「デジタル」さえあれば、今まで足蹴に通っていた先に行かなくても全て「デジタル」で賄ってしまいます。
今ここで「デジタル」をフル活用して、製薬会社MRとしての「働き方改革」をすることが求められております。「平成」に取り残されないためにも今の位置に「デジタル」を受け入れ、使いこなせるようにしておきましょう!
社内外の使えるツールをフル活用してますか?
上述致しましたが2019年4月から「医療用医薬品の販売情報提供ガイドライン」が施行されたことで、製薬会社MRが顧客である医師や薬剤師に情報提供できる内容がかなり絞られてしまいました。
今までのMRスタイルが通用しない時代に突入したわけですが、MRでできる内容に限りがあるなら、社内の使えるリソースをフル活用しようではありませんか!「デジタル」もその一つです。
それ以外にはコプロモーションしている製品があるのなら「コプロメーカーのMRを活用する」や社内の「MSL」に業務依頼を出す、「学術担当者」や「上司」と同行して、MRでは出来ないアプローチをしてもらう、など社内外には使えるツールはたくさんあるはずです。
これを使うか使わないかは、コミュニケーションの能力にも関わって参ります。
社内外の関連部署とのコミュニケーションを常に欠かさない、これが社内外のツールをフル活用して、今までにはない「情報提供」ができるコツになるはずです!
MR一人でできる内容が限られているのなら、周りを巻き込んで仕事をしてみてはいかがでしょうか?
医療機関の訪問規制強化! そのスキマ時間に勉強!
昨今医療機関の訪問規制が強化されてきているのは皆さんも重々お感じになられていると思います。私の周りでも「今日面会した医師は二人だけだった」なんて人は今の時代にザラにおります。
製薬会社MRのみなさまは面会までの間に何をされてますか?面会までの事前準備であったり、近日中に実施する講演会の準備だったり、精算や社内日報の入力であったりするかもしれません。
しかしそれらをこなしても一日の面会数が一人とか二人であれば、就業時間内にかなりの時間を持て余していると想像致します。
その持て余した時間に「昼寝」や「スマホゲーム」をしているような方は、正直「リストラ候補」と言っても過言ではありません。
今の製薬業界を取り巻く環境の変化を見る限り、もはや早期退職(リストラ)は他人事ではありません。製薬会社MRの方はほぼ全員が「明日は我が身」と思っても不思議ではない時代に突入しております。
その早期退職(リストラ)に備えて、自己研鑽しておく必要があります。いざリストラにあった時に何も武器がないのは丸腰も同然です。
また製薬会社MRとしてだけの勉強をしておくのもリスクが高いと言えます。他社に言っても通用するだけのスキルを訪問規制が強化され「スキマ時間」が出来た今のうちに勉強しておくことをおすすめ致します!
ちなみに私はこの「スキマ時間」を活用していくつかの資格を取得致しました。
それは今後製薬会社MRとして他社で働いたとしても、また他業種へ転職したとしても通用する物を取得致しました。関連記事を書いてますので、ご参考にして頂けますと幸いです↓
「英語」を勉強しよう!
私は当初「英語なんて普段のMR活動で使わないから必要ない!」と思っておりました。
なのでこのブログでも英語についてはほとんど触れておりませんでした。しかし最近そうではないと言うことを実感してきております。
今は外資系、内資系に関わらず「英語力」を必須とする製薬会社が増えてきております。
英語力を身につけなければならないと実感したのは、MRとしては「文献を読む力」をつけること、そして社内に対しても「英語」ができるだけで「仕事ができる!」と思われてしまうことです。
特に外資系では英語が出来た方が明らかに出世にも影響が出てきます。外資系では社内レポートや本国との交渉が「英語」なことが多々あります。
その時に一回一回翻訳機能を使っていたら、大量の時間を使ってしまうことになってしまいます。またその間仕事も滞ってしまいます。
特に上に行けば行くほど「英語力」が求められます。外資系では仕事が出来ても英語が出来ないと出世が出来ません。
ちなみに私は外資系2社を経験したのに関わらず、英語力はほぼ「ゼロ」です(笑)これではまずい!ということを最近実感してきておりますので、英語を一から学び直しております。
英語力が「ゼロ」の私が今勉強に使っているのが、アイフォンに入っているアプリ「iTunes U」の「中学動画英文方」です。
これは中学生レベルの英語を予備校の講師がわかりやすく動画で説明するという内容となっており、大学レベルの英語まで学べるアプリです。
英語力がほぼ「ゼロ」の私でも大変理解しやすい内容になってますので、英語力を高めたい!と思っているMRの方にはぜひおすすめしたい学習アプリです。
「働き方改革」をいち早く取り入れる! 有給をフルに使おう!
2019年4月に「働き方改革関連法」が施行され有給休暇が10日以上付与されている方は年に5日以上の有給取得が義務付けられました。以前にブログでもご紹介しております↓
今までのようにがむしゃらに訪問して、がむしゃらに働くという時代は終焉を迎えました。
今までのように「無駄な」訪問は控えて替わりに「デジタル」を活用して情報提供を行う、そして定時に帰って上述したように「自分磨きをする」や「家族サービス」を行うなどの「働き方改革」を行いましょう。
いまだに年配者では「残業することが美徳」のような考えの方も少なくありませんが、今はそのような時代ではありません。ここから思考を変えて行きましょう。
また今は副業を解禁する製薬会社も増えてきております。趣味を副業に生かしている方もおります。
定時に帰って趣味に没頭する、また有給を使った趣味に没頭するなど、ストレスフルから解放され、リフレッシュするためにも「趣味に没頭する」ことが「令和」時代に生き残り、これからも活躍できるMRの必須条件ではないでしょうか。
今はそうでないと若い方も付いてきませんからね。
「令和」で生き残る製薬会社MR!これからも活躍できるMRの条件とは? まとめ
「令和」で生き残る製薬会社MR像として、
「デジタルコンテンツを使いこなす」
「社内外のツールをフル活用する」
「スキマ時間を活用する」
「英語の勉強をする」
「働き方改革を取り入れる」
ことを上げさせて頂きました。少し前までの製薬会社MR像とは打って変わった姿ですよね。
本当に少し前の製薬業界は「不況の影響を受けない」「接待しまくりのバブリーな業界」「エビデンスに関係なく人間関係だけで処方が出た」ような業界でした。
しかし少子高齢化社会の到来により、国の財政は切迫した結果、薬剤費抑制による薬価制度抜本改革やジェネリックの国策化80%、そして地域フォーミュラリー発動によって、先発メーカーは愚か最近では後発品メーカーにもそのしわ寄せがきており、製薬業界を取り巻く環境は一変致しました。
その一方で製薬会社の働き方改革も進み、がむしゃらに働く時代も終焉を迎えました。時代も「令和」に変わり、みなさま自身も変化しなければなりません。
今までのスタイルを貫いていたら確実に「平成」に取り残され、いざリストラが断行された時に「リストラ候補」になってしまいます。いざという時の備えのために、ぜひみなさま自身が変化されることを説に願っております。
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