2019年4月から働き方改革関連法が施行されました。現在多くの製薬会社ではリストラ(早期退職)が発表されておりますが、その一方で製薬会社MRの働き方改革も進んできております。最近耳にするのは出社時間や退社時間が厳格になった、との話を多くの製薬会社の方からお聞きします。
働き方改革関連法とは製薬会社MRにどのような影響を及ぼすのでしょうか?について考えてまいります。
働き方改革関連法とは?
「働き方改革関連法」とは、2018年6月に通常国会で成立し、2019年4月から施行されるものです。現在ある「労働関係」の8つの法律に加えられる改正の総称のことを指します。70年に一度の大改革とも言われており、みなさまも会社の変化にお気づきかと思いますが、かなり大掛かりなものとなっております。
この「働き方改革関連法」の一番のキモは「長時間労働を是正してしっかりと休暇を取れるようにする」ということです。実際に施行されるのは2019年4月からですが、その時では遅いとばかりに多くの製薬会社では、半年以上前から「勤怠表の厳格な入力」や「有給休暇の取得」をき厳しく管理していたところも多いと聞いております。
また「働き方改革関連法」では時間外の上限が設けられ、罰則規定も出来ました。具体的には、
●時間外と休日出勤の合計が1ヶ月で100時間未満
●時間外と休日出勤の合計が2〜6ヶ月平均で一月あたり80時間以内
●時間外が1年間で720時間以内
と定められました。また有給休暇取得に関しても下記の改定が行われます。
●1年間に10日以上の年休を取得できる労働者に対して、そのうち5日については会社側が時季を指定して取得させることが義務化。
つまり強制的に年休を取得させなければならなくなりました。
現在の製薬業界はリストラ(早期退職)が行われており、働く環境が悪いと思いきや、決してそうではないと思います。むしろここ1年くらいでどの製薬会社も「早く来るな」「早く帰れ」「残業するな」という方向に向かっているのではないでしょうか? 製薬業界を取り巻く環境は悪いものの、働きやすさという面では、「講演会」や「社内勉強会(臨床講座)」などが減る一方で、むしろワークライフバランスが良くなったとお感じになる方も多いのではないでしょうか?
「勤務間インターバル制度」導入の企業も
今回の法改定で休暇に関連するものとして加えられたものが「勤務間インターバル制度」です。これは「前日の就業時間と翌日の始業時間の間に一定時間の休息時間を確保することに努めなければならない」ということです。ただしこちらは「努力義務」となっております。しかし昨年田辺三菱製薬がいち早く取り入れたことがニュースになりました。
ミクスの文面を拝借すると「緊急時を除き20時~翌朝7時までの業務をメールも含め原則禁止にした。ただし、例えば、夜間に行う必要があるウェブ講演会など20時以降にどうしても業務が必要な場合は、支店の裁量で認める場合もあるが、その場合も勤務時間の終了時刻から11時間のインターバル時間を確保しなければならない。」となっております。素晴らしい取り組みだと思います。
ちなみに私の勤務する会社も同様に「インターバル制度」を導入して、例えば前の日に講演会が22時終了としたら、次の日は遅く出社しないさい!ということになりました。しかし私は子供が学校に行く時間帯に親が子供よりも後に家を出る、というのに大きな違和感と近所の目が気になってしまい、結局実際には前の日が遅くても早く家を出て、カフェで自己学習しているか、卸に行くかということをしてました(笑)
医療機関の訪問規制と会社の働き方改革に便乗して早く帰ろう!
働き方改革の導入が物理的に難しいと言われれいる医療機関でも最近は働き方改革が進んできているます。その対策の一つが「訪問規制」です。MRとの面談が帰宅時間を遅くしている理由の一つとして取り沙汰されております。
私も担当病院がALL100%完全アポイント制に移行してしまいました。しかしこのおかげで講演会や社内勉強会(臨床講座)がある時以外は、基本早く帰れるようになり、自分のやりたい事(このブログとか)や家族との団欒の時間に使えるようになりました。実際にその時間を活用して読者の量も増えましたし、今後の製薬会社MRに必要な資格もいくつか取得致しました。資格についての記事はこちら↓
「働き方改革関連法」施行移行は、完全アポイント制に移行する病院は益々増えると予測されます。先般記事で書きましたが、面会出来ないのであれば今流行りの「デジタル」を駆使するべきです。
この「デジタル」で、普段MRが行なっている添付文書に基づく情報提供はもちろん、今では講演会の案内やWeb講演会のリンク付き案内文まで各社メールで送れるようになりました。講演会参加の有無もちょっとした依頼ごとも医師や薬剤師とメールで済むようになりました。
完全アポイント制で暇を持て余したMRは、この「デジタル」を駆使して「営業活動」をするべきです。また持て余した時間で昼寝やスマホゲームをするなどというのはもってのほかです。この時間帯で経費や日当の清算などを行なってしまえば、講演会や社内勉強会(臨床講座)がない限り、定時に帰れてしまいます。これから製薬会社MRは「デジタル」を駆使する時代であり、一昔前のように「がむしゃらにひたすら訪問しまくる!」という時代は終わりました。
また最近は激務で知られる医薬品卸でも「働き方改革」進んでおり、メーカーの訪問を「9時以降」などに指定している卸も増えて参りました。ひと昔前のようにMSよりも早く卸に行って、お目当のMSと一番乗りに話をする、なんて時代は終焉致しました。これはちょっと寂しい気も致しますが・・
病院の訪問規制の強化で、朝駆けもほぼ無くなり、卸も朝早く行く必要がなくなりました。この「持て余した時間」をいかに上手に使うか?!で皆様の将来も決まってくると言っても過言ではありません。
生産性のない飲み会には参加しない!
また私自身の働き方改革としてここ数年実施しておりますのは「無駄な飲み会には参加しない」です。これを思っているのは私だけではないと思いますが、会社のメンバーとの飲み会にはほとんど「生産性」はありません。どちらかというと「会社に対する不満」や「グチ」ばかりでネガティブなものばかりではないでしょうか?特に昨今の業界を取り巻く環境を考えても、益々そのような方向の飲み会が増えているような気が致します。
ただ私は飲み会を完全否定は致しません。人によってはそれが「ストレスのはけ口」にもなりますし、それが部下であれば行く必要があります。また飲み会にも「ポジティブ」で「建設的」な飲み会もあります。そういう飲み会には積極的に行くべきだと思いますが、それでも行っても1次会のみです。
一方ネガティブな飲み会に行っても何もプラスのものは生まれません。ならば初めから断ってしまえば良いのです。数回断っているとそのうち誘われなくなります(笑)このブログのメインのテーマである「リストラ(早期退職)」はこのご時世、いつどの会社で発表されてもおかしくない状況です。
飲み会でグチをこぼしている時間があるのなら、将来のために時間を使いませんか。これからは副業もどんどん解禁されて行くでしょう。将来のために副業を始める、そのための準備をする、また資格を取るための勉強をする、読書をすること、もこれからは今まで以上に出来ます。今後働き方改革で上司も「飲み会」を設定しづらくなるでしょう。その時間をぜひ自分の将来と家族のために費やしましょう。
MRの働き方改革!あなたは何をする? まとめ
すでに多くの製薬会社で実施されている「働き方改革」それがちゃんとした罰則付きの法律となって2019年4月より「働き方改革関連法」として施行致します。製薬業界は今後厳しさを増す中で、働き方改革もどんどん進んで行くでしょう。
この「働き方改革」に乗らない手はありません。法律の変化と同時に皆様も変化に対応しなければなりません。法律改正に便乗して今一度皆様ご自身の「働き方」を見直してみましょう!
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