ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門でアメリカに本社を置く「ヤンセン」が「ポジションクローズ」を発表致しました。
2022年後半に入ってからはノバルティスファーマ、そしてファイザーといったメガファーマによる早期退職(リストラ)が次々と発表されております。
しかも他の製薬会社写真を震撼させたのは、ヤンセンは他の製薬会社に比べて将来性があるのにということです。
「AnswersNews」による2022年11月25日現在「ヤンセン」の国内開発パイプラインを見てみると、新規有効成分のフェーズ3で8本、フェーズ2で6本、適応拡大が申請が、フェーズ3で13本、フェーズ2で2本、となってます。
決して将来を悲観するようなパイプラインではありません。
ただ残念なことに「ポジションクローズ」という新しい呼び名の事実上の「リストラ」が発表され、リストラ要員の社員への面接が始まっているようです。
ヤンセン社員の方は「ポジションクローズ」が発表されるまではまさに「寝耳に水」だったようで「業績好調の会社がなぜ?」と思ったはず。
このニュースを見て改めて「スペシャリティ専任やオンコロジー専任MRでも今後安泰ではない」「もはや他人事ではない」と思ったのは私だけでは無いと思います。
今は急に会社が丸ごとどこかに吸収されて無くなってしまうかもしれない時代でもあります。オンコロジーやスペシャリティMRでも安泰では無いこれからの時代の対策を考えます。
もはやスペシャリティ・オンコロジーMRでも安心していられない!
昨今の医薬品業界を取り巻く環境の変化で、一斉を風靡した高血圧や糖尿病などの生活習慣病を主体としたプライマリー領域を得意とする製薬会社は厳しい環境下に置かれております。
新薬創出加算品から外された製品やジェネリックの国策化、そして最近は地域フォーミュラリーも進んできております。
そこで製薬会社各社はプライマリー領域からの脱却を目指して、希少疾病や抗がん剤を主体としたスペシャリティ領域への変換を図っております。
その典型がノバルティスファーマです。高血圧治療薬「ディオバン」で一斉を風靡するも、データ改ざん問題で瞬く間にシェアを落としました。COPD治療薬「オンブレス」や「ウルティブロ」を発売するも、明治製菓ファルマへ販売流通を移管。
その後、ノバルティスファーマは主力の糖尿病治療薬「エクア」や「エクメット」を大日本住友製薬へ販売流通を移管することも発表。
ノバルティスファーマは最近「キムリア」で話題が持ちきりですが、プライマリーから脱却し完全にスペシャリティ化してきてます。
そしてセルジーンは会社ごとブリストルに買収されてしまいました。これからは自分の会社が存在するかなんて分からない時代です。
さらにスペシャリティMRのみなさまが常に不安なのが「1製品1領域にしか特化していないこと」だと言います。
スペシャリティ領域やオンコロジー領域のMRでは専門性の高いスキルを持ち合わせているとはいえ、「1製品1領域」の経験しかないと、他社に行った時に潰しが効きません。これが転職の際、ネックだと言われております。
しかも2022年11月現在、いつまで続くか終わりが見えないコロナ禍です。スペシャリティ・オンコロジー専任と言えども医療機関に直接訪問・面会の機会が激減してきており、ある程度デジタルでまかり通る時代にもなりました。
なので「MRは今まで以上にいらない」となったのが2022年10月大規模に行われたファイザーの早期退職です↓
いろんな意味で製薬会社MR転職氷河期時代です。狭い領域の経験よりかはMRの中でも幅広い経験を持ったMRの方、もしくは他の職種の経験を持った方の方が今後確実に重宝されます。
転職サイト・エージェントに登録して今の自分の市場価値を知る!
もはや製薬会社MRの方で転職サイト・エージェントに登録していないという方はいらっしゃらないのではないでしょうか? 長引くコロナ禍で製薬業界は益々先行き不透明です。
こんな時代だからこそ現在の自分の市場価値を知って、いざという時のために転職サイト・エージェントに登録する意義について再三当ブログでもご紹介させて頂いておりました。
製薬会社MRの方で「まだ転職サイト・エージェントに登録していない」という方は、まずは二、三社登録して、様々なエージェントから自分の市場価値を伺ってみてはいかがでしょうか?
また転職サイトに登録することは、最大のリストラ対策にもなります。いざという時のために早めに動いておくことは非常に重要です。
とは言ってもどの転職サイト・転職エージェントに登録したら良いのか?これだけ世の中に転職サイトが溢れていたら分かりませんよね。
そこで、この記事を書いている2022年12月段階で製薬会社による求人が多い転職エージェント・転職サイトを下記に3社ご紹介致します。
MR BiZ
名前の通りMRの転職に特化した転職エージェントが「MR BiZ」です。1部上場企業の株式会社クイックが運営している転職エージェントです。
メガファーマから中堅の製薬会社まで業界トップクラスの求人数を誇り、唯一のMR専門転職エージェントですので、MR職に拘りたいのであれば絶対に登録しておくべき転職エージェントです。
MR BiZの担当者の方に転職市場動向を直接伺いました。2022年10月にインタビューした段階でMRの転職市場は対前年増加傾向とのことなので、MRを続けたい方はまだチャンスがありです。
ただし転職に有利な年齢層は26-44歳で、39歳までだと尚に有利のようです。 「MR BiZ」の利用に関して年齢制限は特にありませんが、50代での転職要件はあるものの、上記年齢層に比べるとかなり少ないようです。
なので「まだ私は早期退職募集要件に当てはまらない年齢」とも言える現在20代-34歳の方は、将来必ずリストラの憂き目に合うことを考えれば「MR BiZ」には登録しておくべきかと思います。
また「MR BiZ」ではMR職以外にもCRAやMSLさらには特約店担当者など、製薬業界での幅広い職種も扱っております。
リストラのリスク回避という観点だけではなく、キャリアアップを見据えて登録されるのも良いでしょう。
JACリクルートメント
MR転職氷河期時代でも外資系の求人が多いのが「JACリクルートメント」です。「JACリクルートメント」のホームページにもMR求人数はコロナ禍の2022年でも、ここ5年でトップレベルの多さと、自負しているくらいMR求人が豊富です。
MRを含む製薬会社の中でも現在圧倒的に求人が多いのが外資系です。特に最近はバイオベンチャーを中心に日本進出をきっかけに中途採用を募集している外資系製薬会社が増えてきております。
今後製薬会社で働き続けたいのなら間違いなくパイプラインが豊富な外資系製薬会社への転職がおすすめです。外資系製薬会社への転職を目指すのであれば、絶対「JACリクルートメント」には登録しておくべきです。
また「JACリクルートメント」では製薬業界と同じ医療業界への転職も豊富です。私の元同僚は「JACリクルートメント」を通じて製薬会社MRから外資系医療機器メーカーへの転職を果たしました。
その元同僚が外資系医療機器メーカーへの転職を果たした過去現在について、インタビューを行っておりますので、ぜひ転職活動の参考にしてください↓
リクルートダイレクトスカウト
誰しもが知る「リクルート」が運営する「リクルートダイレクトスカウト」 私は「リクルートダイレクトスカウト」の前身である「キャリアカーバー」の時に登録致しました。
「リクルートダイレクトスカウト」の特徴としては、ご自身の職歴と気になる求人や条件を入力したらそれに見合った求人が企業やエージェント、ヘッドハンターから直接連絡が来るという仕組みです。
この手の転職エージェントはいくつもあるのですが、その代表格である「ビズリーチ」の倍以上はオファーが来ると感じております。
製薬業界の求人としては「リクルート」の知名度などから「リクルートダイレクトスカウト」が圧倒的に多いと私自身感じております。
そしてその求人のほぼ100%がやはり外資系製薬会社でした。私の場合、現在は外資系製薬会社の本社営業部門に所属しておりますので、そのキャリアを生かしたオファーを多く頂きます。
製薬会社で仕事を続けながら他部署の仕事をしてみたい、という方はぜひ「リクルートダイレクトスカウト」に登録されることをおすすめ致します。
激動の時代だからこそ他部署で違う経験値を積むことが必要!
これも当ブログで再三述べてきたことですが、もはや「スペシャリティの経験がある」「オンコロジーの経験がある」「大学病院・基幹病院の担当経験がある」だけでは今後製薬業界では生き残っていくことは難しくなるでしょう。
MRの数は確実に減少するからです。今後益々早期退職(リストラ)も進むでしょう。
今後MRとして生き残っていきためには多種多様な経験が必要になります。そのためには今流行りのデジタルを極めるとか、MSLなどの社内連携を幅広く活用するなどのスキルも必要ですが、MR以外の職種も経験するもの今後は重要になってまいります。
変化の激しい現在の世の中で、同じ職種だけの経験しかないのは大変危険です。MRの経験しかないのは「変化に対応できない」と見なされる可能が高いのです。
ですので出来るだけ早いうちに他部署を経験しておくことをおすすめ致します。多くの製薬会社では「異動希望届」がありますので、それを使って今のうちに他部署を経験しておくと良いでしょう。
実際に私はMS→MR→本社→MRと経験致しました。今はその幅広い職種経験が評価され、4回目の転職を果たすことが出来ました。
もちろん会社からの決め手は「多種多様な経験をこの会社でぜひ生かしてほしい」ということでしたので、他部署での経験は転職にも大いに活きて参りますし、確実にリストラ対策にもなります。
英語は絶対やっていた方が製薬業界で生き残れる
私はこれまで当ブログで「MR以外のスキルを身に付けたほうが良い」と再三にわたって申し上げて参りました。
現在私は外資系製薬会社本社営業部門所属ですが、そこで強く感じるのは圧倒的に「英語力」です。
「英語力」があれば今後リストラが続く製薬業界で必ず生き残れます。これは外資系に限らず海外に展開している内資系製薬会社に勤務されている方すべてに当てはまります。ということを本社勤務という立場でものすごく強く感じます。
というのも「英語が出来る」という肩書だけで出世している人を私は多く見て参りました。今も未来も「英語が出来る」ということだけで仕事の幅は確実に広がりますし、いざという時にリストラ候補にもなりません。
なので英語力に全く自身がない私は、将来の自分と家族を守るために今こちらを必死に学習中です↓
ただ仕事のためだけにと「英語」を学習するには長続きしませんし、そもそも英語学習に踏み切りません。「海外に行ったときにペラペラだと楽しいだろうなぁ」くらいの遊び心を持った方が楽しく学習できます。
今後給与体系が高くて、福利厚生も抜群に良い製薬業界で働き続けたいのなら、英語は必須スキルだと言えます。
まとめ
これまでは「スペシャリティ」や「オンコロジー」の経験があれば製薬会社MRとしては安泰!と思われておりましたが、2022年11月のヤンセン「ポジションクローズ」のニュースを見て「専門領域専門MR」の経験だけでは、安心ではないということを皆さまも実感されたのではないでしょうか。
今後業績好調の会社でもいつどの会社に買収されてしまうかわからない時代で、ある日突然リストラ宣告されるというは年代に関係なくどの製薬会社のMRにもあり得る時代となりました。
いざという時に路頭に迷わないためにも、上記でご紹介した、転職サイトに登録する、社内の他部署への異動届を出す、英語の勉強を始める、といった今すぐにできる「リストラ対策」を今すぐに実行に移して、自分とご家族を守る行動をしましょう!
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