製薬会社MRのみなさん、先生と「オンライン面談(リモートディテール)」してますか!?
リモートディテール(オンライン面談)という言葉は、会社によってニュアンスが違います。
リモート、リモートディテール、リモートディテーリング、リモート面会、オンラインディテール、オンライン面談などなどいろんな言い方をしますが、以下「オンライン面談」で統一させて頂きます( ̄∇ ̄)
新型コロナウイルスの感染拡大によって今後MRの営業スタイルは「新しい生活様式」ならぬ「新しい仕事様式」に変化すると予測されます。
東京以下歯科大学薬剤部長の高橋先生は日刊薬業の取材で「平時に戻ったとしても標準自体が変わっていく」と仰っており、「MRが来なくなっても困っていない」とも仰ってます。
今後MR活動の主流は「デジタル」「オンライン講演会」そして今回ご紹介する「オンライン面談(リモートディテール)」のウェブを介したこの3つになっていくことは確実でしょう。
このことはそれぞれ記事に書いてますので、下記をご覧ください↓
ただオンライン面談と言っても、会社としてのシステムが整備されていないと実施出来ません。各社zoomの機能を活用して実施している会社も多いようですが、どうしてもセキュリティ上の問題があるようです。
そんな状況の中、いくつかの製薬会社では先んじて「オンライン面談」がスタートしております。私も本社営業部門のスタッフという立場から実際にオンライン面談に参加してみました。
そこでこれからオンライン面談を実施するMRのみなさまに向けて、オンライン面談を行うにあたっての準備やメリット・デメリットについて私の実体験と、実施したMRからの聞き取りなどからご紹介致します。
オンライン面談実施にあたって事前準備すること
オンライン面談を行うのにはアポイント面談以上の事前準備が必要なことがわかりました。事前準備について順を追ってご紹介致します。
オンライン面談の大義名分作り
オンライン面談をするには大義名分が必要だということは当ブログでもご紹介して参りました。オンライン面談は通常のアポイント面会以上にハードルが高いようです。
というのは、ただでさえオンラインでの面談に抵抗感がある医師は、通常の面会以上に「なんのためにオンライン面談?」と疑ってます。
なのでオンライン面談をする目的を明確にする必要があります。「目的と言っても・・会社がオンライン面談やれ!というから・・」というMRの皆さんのお気持ちもお察し致します・・( ̄∇ ̄)
しかし目的がないとほとんどの医師は受けてくれません。ではその大義名分の作り方ですが、先生からの依頼への返答や、周りを巻き込んで(上長やマーケティング、MSLなどの同席)依頼すると取得しやすいです。
面談ストーリーを練る!
では実際にオンライン面談の確約を頂いても、実際に当日を迎えた時にオンライン面談と合わせてスムーズなスライド移行や、上長や本社部門の方へバトンタッチが出来なければ、心証が悪くなってしまいます。
なので事前に同席する上長や同僚とデモを実施されることをおすすめ致します。あとは先生方の通信環境が良いことを願うしかありません・・( ̄∇ ̄)
先生方がオンライン面談できる環境なのかを事前にチェック
そもそも先生方がオンライン面談を受けてもらえるか環境下どうか、ということも事前に確認する必要があります。
オンライン面談を受けてもらえる環境下というと、先生側が「個室があるか?」「個室が用意できるか?」「周りに聞こえても良い環境か?」ということです。これ結構重要です。
病院の先生によっては、医局の机が横並びで声が丸聞こえ、になってしまうケースもあります。
まずは「受けての先生がオンライン面談を受けてくれる環境か?」を過去の訪問から医局の机の配置や、会議場所を確保できるかどうかを想像しておくと良いでしょう。
オンライン面談のメリット
実際にオンライン面談を実施、もしくは実施したMRから聞いてみて感じたメリットをご紹介致します。
本社部門とのオンライン同行がしやすい
従来のアポイント訪問だと、上長や本社部門の方(マーケティングやMSL、学術など)と同行する際、先方の予定と上長・本社部門の方のスケジュールを考慮しなければいけませんでした。
特に本社部門の方の移動時間も考慮しなければいけませんでした。
しかし移動が伴わない分、本社部門とのスケジュールも組みやすく、従来の訪問以上にオンライン面談の方が「オンライン同行」しやすいというメリットがあります。
先生がディテール(オンライン画面)に集中してくれる
通常の面会式のディテールでは、MRが話をしながらパソコンやipadの画面でデータやスライドを示しながら話をするというスタンスでした。
MRの顔とデータの二つがある反面、見て欲しいデータに集中してもらえないということがあるかと思います。
しかし「オンライン面談」では、MRの顔もディテールも同一画面ですので、通常面会よりもオンライン面談の方がディテールに集中してくれるのがメリットかと思います。
オンライン面談のデメリット
実際にオンライン面談を実施、もしくは実施したMRから聞いてみて感じたデメリットをご紹介致します。
まずオンライン面談を受けてもらえない
そもそも「オンライン面談を依頼しても受けてもらえない」というMRがまだまだ圧倒的に多いです。何か目的や大義名分が必要ということですね。
従来完全ポイントの先生では、何か資料請求やデータの依頼があった際に「では資料を直接お持ちしたいので、お伺いしてもよろしいでしょうか?」とアポイントを取得する口述になっていたかと思います。
それをオンライン面談で同様に行えば良いのです。「ご依頼のあった件ですが、今は新型コロナで病院に訪問できない状況ですのですし、資料も提示したいのでオンラインで回答させて頂きます」と。
あとは、オンライン面談の事前準備のところで上述致しました「上長や本社部門などの横の繋がりを使う」のがオンライン面談を実施する口述にもなりますし、先生方のお役にも立てるはずです。
また別の記事でも書きましたが、オンライン面談は普段から関係度の高い先生から依頼してみると良いです。そして以前からオンライン診療を開始している先生は抵抗なく受けてくれる印象があります。
あとは「オンライン面談なんてニーズないよ。新型コロナで医師は大忙し」という固定観念をお持ちのMRも多いというのが実情かと思います。
これについては「意外にオンライン面談のニーズがある」ということを下記に記載してますので、ここでは割愛致します。
面談内容が録音されていることを考慮する必要がある
オンライン面談(リモート)をすでに実施している製薬会社は、最大限セキュリティを強化した上でコンテンツを提供しております。
しかしオンライン面談(リモート)による面談では医師や薬剤師の先生方に録音されていることは考慮しなければいけないと思います。
いくらシステム上録音できなくしたとしても、相手側がスマホで撮影している可能性は否定できません。
「録音するような先生とはオンライン面談なんてしない!」なんて声がありますが、医薬品モニター制度では「信用されていた医師ほど通報される」とも言われておりますので、油断は禁物です。
ましては現在医薬品監視モニター制度や販売情報提供ガイドラインの適応で、医師や薬剤師の先生方からMRは厳しい目で見られております。
オンライン面談では「言い回し」や活用する「スライド」にも十分配慮しないと自分の首を閉めることにもつながります。
今はあっという間にSNSでも拡散してしまう時代です。オンライン面談はアフターコロナに主流となるツールですが、今まで以上に情報提供内容に気をつけなければならないのはデメリットかなと・・
アポイントオンライン面談の時間に先生が現れない
従来のアポイント面談でも約束の時間に先生が現れないことは良くあることですね。やはり患者さんあってのことですので先生方も予定通りとはいきません。
なので従来のアポイント同様にアポイントの前後には予定は入れない方が無難です。ただアポイント前後に移動を伴わない事はメリットでもあります。
ちなみに私の知るMRは先生とのアポイントオンライン面談で、なかなか現れなくて流石にブッチしようかと思ったそうですが、2時間後にちゃんと現れたそうです(笑)気長に待ちましょう!
全ての先生に「オンライン面談」はムリ!
会社によっては「定期的に訪問している全員の先生にまずはオンライン面談の打診をしろ!」と指示している会社もありますが、未だにガラケーでパソコン操作が良くわからない先生がいるのも事実です。
なので対面式の面談が可能で、それがニーズである先生にムリくり「オンライン面談」を申し込む必要なんて全くありません。あくまでも先生方のニーズに応える一つのツールが「オンライン面談」なのですから。
オンライン面談は実際のニーズはある?
MRのみなさまが一番気になるのが先生方の「オンライン面談(リモート)のニーズって本当にあるのか?」ということかと思います。
私を含めて私の身の回りでもオンライン面談(リモート)を実際に実施された方に聞いてみると、これが意外や意外、オンライン面談(リモート)のニーズはあるというのが現状です。
これは実際にデータとしても現れております。医師向けのWebサイト「MedPeer」を運営する「メドピア」という会社が、同社の会員2,000人を対象とした調査で、72%がMRからの情報提供を求めていることが確認出来ました。
※出典:メドピア株式会社 https://medpeer.co.jp/press/7550.html
またMRからの情報提供を求めている72%のうち実に56%がリモートでの情報提供を希望しているという、デジタルやオンライン面談を否定しているMRにとっては衝撃的なデータですね。
なので製薬会社MRのみなさまが考えている以上に、先生方のオンライン面談のニーズは高いということがわかります。
私を含めて各社MRに伺っても、実際に病院の医師ほど「MRとからの情報提供は重要」と考えてくれており、オンライン面会の受入度も高いと感じてます。
あともう一つ意外だったのが診療科にもよりますが、病院勤務の医師は、新型コロナの影響で多忙を極めていると思いきや「患者の抑制であったりMRの訪問規制によって逆に暇になった」というのです。
あくまでも診療科によりますが・・メリットの部分でもご紹介致しましたが、「オンライン面談」は先生方の顔色を伺うことなく依頼出来ますので、一度状況伺いで聞いてみるのも良いかと思います。
ここはまず固定観念を捨てて「意外にニーズがあるんだ」と思い、会社からオンライン面談ツールがリリースされたら積極的に取り組んでみると良いでしょう。
強いては「オンライン面談」を積極的にやること、企画できることが今後の「リストラ対策」にもなりますので・・
【MRアフターコロナ】リモートディテール実体験で分かったオンライン面談のメリットデメリット!まとめ
MRから先生への実際にオンライン面談して感じたメリットとデメリット、そして準備や対策についてまとめさせて頂きました。
アフターコロナでMRは「デジタル」同様に「オンライン面談」からも逃げることは出来ないでしょう。
「デジタル」「オンライン面談」「オンライン講演会」が普及すると益々MRが不要になると思われますが、全くもってそうとは言えません。
というのも「デジタル」「オンライン面談」「オンライン講演会」も全て現場の状況を把握し、医師との関係性があるMRがいるからこそ成り立つツールです。結局操る人がいないと使い物にならないツールなのです。
ただアフターコロナでこの三つを使いこなせないと「MR不要」と言われ、今後リストラ候補になるのは言うまでもありません。
上述した通り新型コロナの影響で病院にまだ患者さんがいる限り、しばらくMR活動が通常に戻るとは考えられません。三つのツールを上手に使いこなして「MRが必要」と言われるように活動して参りましょう!
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