新型コロナウイルス蔓延による影響は甚大なものになりつつあります。特に首都圏は、院内感染が確認される病院も増えてきており、また東京がロックダウンに陥る可能性もあり(2020年3月28日現在)、MR活動をしている場合ではなくなっております。
現在製薬会社MRの皆様は自宅待機命令、もしくは在宅勤務(テレワーク)の推奨、そして不要不急な出張の延期や中止、会議や打ち合わせはウェブシステムを活用するなどの規制を受けておられると思います。
全国各地の医療機関や医薬品卸でも訪問禁止を打ち出す先が日に日に増えております。
しかしこんな環境下でも完全「自宅待機命令」を敷く会社もあれば、「アポイントや説明会が入っており、先方が受け入れてくれた時は訪問可能」など会社によってはなんとも指示が曖昧なところもあると聞きます。
しかし今は我々が経験したことのないような未知のウイルスが蔓延し、医療機関も混乱しております。このような未曾有の事態の時に生命関連企業である製薬会社としての体質が問われると私は考えております。
そこで今回は「新型コロナウイルス対応で問われる製薬会社の企業体質」を炙り出して参ります。
新型コロナウイルスへの対応が大きく分かれる製薬会社
新型コロナウイルスに対する社員の対応をいち早く発表したのはアステラス製薬とマルホでした。そのことは別の記事でも書かせて頂きました。
しかし一部の製薬会社では医療機関への訪問を「全面的に禁止し当面の間在宅勤務」としている会社がある一方で、「得意先のアポイントや説明会を事前に取得しており、かつ先方の了解が得られれば訪問可能」となんとも曖昧な指示を出している会社もあると聞いております。
また「訪問禁止」や「訪問自粛」を表明している医療機関のほとんどが「病院」であり、クリニックなどの「開業医」は「訪問禁止」にしている先はそこまで多くはないのが現状です。
そのため「訪問できる先には行くように」と間接的な指示を出している製薬会社が一部存在するのも事実です。
会社からの曖昧な指示に困惑している製薬会社MRの方が非常に多いと聞いております。特に内資系の製薬会社は3月は決算月であり、何がなんでも目標数字を達成させなければいけないと言う会社事情があります。
本当は医療機関に訪問させたくはないけど、3月決算の数字があるため「行くな!」とも言えない会社事情が各社の対応にて垣間見られます。
新型コロナウイルスへの対応次第で今後の処方が大きく変わる
こんな新型コロナウイルスが蔓延している今の状況で医療機関に出入りしている不特定多数のMRに来られては医師やスタッフ、そして患者にとっても迷惑な話です。
いくら会社が数字のためとは言え曖昧な指示を出したとしても、ここは病院・開業医問わず、有害事象発現や緊急安全性情報などのよっぽどの用事がない限りは訪問を控えるべきだと私は考えます。
それが声明関連企業に勤めるMRの勤めだと思いますし、強いては今後の処方にも大きく影響する可能性もあります。
新型コロナウイルスが蔓延している今の状況で、なんの気もなく訪問してくるMRの薬を医師は使おうと思うでしょうか?私が医師なら絶対に使いません。
自宅待機命令が出ている会社のMRはまだしも、会社から曖昧な指示を出されている会社のMRは今こそ製薬会社としての意義が問われていると行っても良いでしょう。緊急性のない説明会やアポイントはすぐにお断りするべきでしょう。
逆に医師や薬剤師から「なんで来ないんだ!?」と言われるケースもまれにあると聞いております。こんな先は逆に「患者ファースト」とは言えません。
感染リスクの高いMRがこの時期に医療機関を訪問することは危険です。患者は愚かご自身のご家族にも感染リスクを高めてしまう可能性もあります。アポイントや説明会は誠意を持ってお断りされた方が無難です。
新型コロナウイルスへの対応で会社としての体質が見える
今回の新型コロナウイルスへの医療機関や医薬品卸への対応内容によっては、会社が外を向いているのか?中を向いているのか?が良く分かるかと思います。
一刻も早く「訪問禁止」や「在宅勤務(テレワーク)」を公表した製薬会社は医師や患者ファーストな会社と言えます。
そんな会社はこれからも医師の信頼を勝ち得ることが出来、生き残っていく製薬会社になると思います。結局数字は後から付いてくるからです。
一方いつまで経ってもスタンスを示さない製薬会社や「説明会やアポイントがあれば訪問可能」「訪問可能な先には訪問可」などと言っている製薬会社は自分の会社の数字のことしか考えておらず、医師や患者ファーストとは言えません。
そんな製薬会社は医師から足元を見られて、いずれは淘汰されることでしょう。医師や患者ファーストではない製薬会社は、どうもMR自身にも目先の数字常に追われている感じが見受けられます。
「やる気」や「患者さんを救いたい!」という気持ちも、もちろんありません。また曖昧な指示を出す会社は「社員が感染したらどうするか?」ということも考えてません。社員の健康状態よりも数字が一番なのです。
そしてこんな危機的な状況の時には会社として、また上司としての本質がよく見えます。
新型コロナウイルスが蔓延している環境下で得意先訪問を余儀なくされた時、上司に訪問の有無を相談すると「Yes or No」明確な答えをくれる上司もいれば、万が一感染した時の責任を追いたくないので、答えのない「曖昧な返事」をする上司もおります。
ピンチの時には会社や上司の本質が部下からするとよく見えます。そこでダメ上司だということがすぐにわかってしまいます。これは実際に私の体験談です(笑)上司を見極める良い機会でもありますね。
みなさん今回の新型コロナウイルスの会社対応で会社と上司の本質が良く見えたかと思います。今後の会社の将来を見極める良い機会かもしれませんので、ぜひ今後ご自分の会社と上司のスタンスを見ておいてください。
新型コロナウイルス対応から製薬会社の企業体質を炙り出す! まとめ
新型コロナウイルスへの対応策には各社大きな偏りがありますが、上述させて頂いた通り、この対応内容によって今ご自身が在籍している会社が「医師や患者ファースト」なのか?従業員の感染や医療従事者の状況そっちのけで「数字」が一番なのか?が良く分かったかと思います。
まだまだ先が見えない中で、どの製薬会社が営業活動を再開を発表するのかも非常に見ものですが、しばらくはこの状態が続くものと考えられます。
会社によっては「指示が曖昧」過ぎて、「果たして訪問しても良いのだろうか?」とモヤモヤしているMRの方は多いのではないでしょうか?ここで会社として、また上司としての本質も見えて参ります。
しかし生命関連企業に勤めている以上は医師や患者さんのことを思い、「感染リスク」の高いMRは訪問するべきではありませんし、説明会やアポイントが入っていたとしてもここは遠慮するべきです。
また幸いにもここ二・三年でデジタルが急速に普及した影響で面会しなくても情報提供が出来るようになりました。まさにこんな時のために各社二・三年かけてデジタルを普及させてきたようなものです。今こそデジタルを活用した情報提供にシフトするべきです。
懇意にしている医師から「製薬会社MRからサイバーテロにあっている・・」との声を聞きましてので、ただ単にデジタルコンテンツを配信しまくるのも問題です。
言うまでもないありませんが、効率的かつ効果的なデジタル活用がおすすめです。効果的なデジタル活用法を記事に書いています↓↓ぜひお役立てください。
製薬会社の対応云々によっては今後数字にも大きく影響してくることは言うまでもありません。自分の「良心」に問いかけて自粛した活動を行って参りましょう。
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