2021年12月、アステラス製薬MR職の給与体系が廃止され、2022年4月からは全社共通になり、MRの給料は大幅減額になるとの報道がありました。
アステラス製薬に限らず大規模なリストラを断行した会社は、給与体系や手当関係に必ずと言って良いほどメスを入れてきます。
今回のアステラス製薬の発表はどんな意味合いがあるのか?実際にリストラの生現場を体感した私が考察してみます。
「アステラス製薬」が2021年9月に断行されたリストラの募集人数は450名だったが実際は?
アステラス製薬は2021年9月に大規模なリストラを発表したことは当ブログでも記載の通りです。
この時も募集目標人数が450人となっており、手あげされた方は2021年12月末で退職することになりますが、私の周りで色々聞いていると450人以上は軽く超える方が手あげをしたことが推測されます。
リストラが発表された当時は募集条件が未定でしたが、どうやら年齢に関係なく入社5年目以上の社員が対象となったため、全社員の相当数がリストラの募集要件に該当してしまいました。
中には20代後半の社員もリストラの負い目にあってしまい、退職を余儀なくされたと聞いております。
東証一部上場企業の大手製薬会社に就職したのにも関わらず「まさか20代後半で自分がリストラの負い目にあうとは・・」これが製薬会社に勤める方全員が今直面している現実です。
「アステラス製薬」の2022年4月からの給与体系の変更は、もはや「辞めてくれ」と同義
そしてリストラで手上げしなかった社員への仕打ちが今回発表になった「給与体系の変更」です。
そもそも製薬会社は営業職であるMRにはKPI(Key Performance Indicatorの略で「重要業績評価指標」のこと)や数字の目標があるものの、内勤者はKPIが立てにくいという構図があります。
それを全社員フラットにして、ただでさえ高かった営業職の給料を減らそうというのが、今回の目的だと推測します。
リストラの発表と同時に給与体系や福利厚生などの手当にメスを入れる会社は今までも多くありました。ただここまで思い切った給与体系の変更は私も初めて聞きました。
要するにリストラで手あげせずに残留を決意した社員に対して「残っても良いけどその代わり給与ガッツリ減らしよ。頼むから辞めてくれ」と同義だと私は理解しております。
普通は今後も将来性がなく、再リストラの可能性が高い会社に給料が下がってまでもしがみ付きたいとは思えません。アステラス製薬は給与を減らすと言っておいて、自然減少することを狙っていると推測します。
アステラス製薬はリストラを断行し、給与定型にまでメスを入れなければならないくらい切羽詰まった状況だとお察し致します。
リストラまで行かなくても給与体系や福利厚生などの手当にメスを入れ始めている会社も黄色信号と見て間違いないでしょう。それでもダメなら必ずリストラを断行しますので、注意が必要です。
今後「アステラス製薬」と同じ道を辿る製薬会社とは?
アラフォー世代の私としては「リピトール」や「ベシケア」で一世を風靡したイメージがある「アステラス製薬」ですが、東証一部上場企業かつ大手製薬会社、誰しもが憧れた製薬会社でまさかこんなことが起こるとは・・
一体どなたが想像したでしょうか? 現に直近3年間をみても、国内大手製薬会社では次々とリストラが行われました。武田薬品、エーザイなどの誰しもが入社を憧れた製薬会社がリストラを断行致しました。
意外と国内中堅製薬会社でのリストラの話はあまり聞きません。直近では協和キリン、日本ケミファくらいでしょうか。
ただ昨今の医薬品業界を取り巻く環境の変化を見ても、国内中堅製薬会社の中には主力品の特許切れを迎える会社や、パイプラインが先細りの会社がいくつも存在します。
内資系と外資系両方の製薬会社での勤務歴がある私から見ると、やはり内資系は「どんな時も社員の雇用は会社が守る!」という会社が多いように感じます。
しかしアステラス製薬のように「終身雇用は約束できない」と、「社員の雇用を何としてでも守る!」ことがもはや限界に来ているのがお分かりかと思います。
製薬会社にお勤めの方は誰しもが、自分の身は自分で守る覚悟を持ち合わせる必要に迫られていることを自覚しましょう。
転職サイトに登録して事前準備を怠らない
2018年に始まった薬価制度抜本改革、ジェネリックの国策化80%、2025年まで地域フォーミュラリーの加速、販売情報提供ガイドラインによるMR活動の制限、そしてコロナ禍でMRが今まで以上に必要ないということを浮き彫りにしてしまいました。
先日「MR白書2021」が発表となり、製薬会社199社に対して2021年5−6月にかけて行った調査の結果、2019年のMR数57,158人から2020年は53,586人まで減少。その減少人数は過去最大の3,572人となりました。
これは言うまでもなく理由としてはリストラがメインと推測します。コロナ禍で益々「MR不要論」が加速してますから、今後もMRはどんどん減少していくことでしょう。
終身雇用はおろか、「終身MR」も諦めなければいけないのが昨今の医薬業界を取り巻く環境かと思います。
いつご自身の会社がアステラス製薬のように大規模なリストラを断行し、しまいには給与体系や福利厚生にもメスを入れなければならない状況に追い込まれても良いように事前準備をしておく必要があります。
以前から当ブログでは私の実際の体験談から、いざという時のリストラ対策として「他部署への移動願いを出す」「同業他社や他業種に転職することになったとしても使える資格を今のうちに取得する」と言う話をして参りました。
ただこれも大事なことではあるのですが、最も簡単にできることとして「転職サイトに登録してご自身の市場価値を見出しておくこと」が今一番必要なことと感じてます。
いつ断行されるか不透明な「リストラ」に対し、いくつかの転職サイトに登録し第三者の目線からご自身の現時点での市場価値を見出しておく必要があります。
ではどの転職サイトに登録するべきか?ですが、製薬会社MR向けの転職サイトを下記に記載致します。
ぜひ複数社登録して各社のエージェントから様々な角度からの意見をもらって今のうちにご自身の市場価値を評価してみておくと良いでしょう。
●サイト側から求人情報が来る「リクナビNEXT」
●外資系製薬会社の求人が多いのが「JACリクルートメント」MR以外にも医療機器メーカーの求人も多い
●MRの給与体系を変えたくないハイクラスな求人が多い「リクルートダイレクトスカウト」
●20代30代のMRの求人を強化しているのが「マイナビエージェント」
製薬会社MR向けの転職サイト・転職エージェントについて、詳しくはこちらの記事で紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!↓↓
アステラス製薬MR職の給与体系廃止の意味は?リストラ後も続く負のスパイラル まとめ
当ブログでは私自身の転職・リストラ体験を元に、製薬会社各社のリストラに対して私の主観を述べておりますが、ほぼ毎回同じ結論に達します。
それは「自分自身の身は自分で守ること。終身雇用はもはや約束されない」と言うことです。
そして毎回しつこいくらいに「転職サイト複数社に登録してご自身の今の市場価値を事前に理解しておきましょう」と言います。
なぜここまでしつこく言うかというと、これだけ製薬会社各社でリストラを断行しているのにも関わらず、いまだに「自分の会社は大丈夫」「自分は実績を上げているので大丈夫」と言って、あまりにも丸腰の方が多いからです。
そしてそのような方に限っていざリストラが断行されたら「何もしてなかった・・」と再就職先も決まらずに路頭に迷う・・ 本当にそんな方を多く見かけては心を痛めて参りました。
リストラは本当に精神を消耗します。家族に与える影響も大きく、中にはメンタルダウンする方もおります。
今はどこの会社でリストラが断行されてもおかしくない状況です。アステラス製薬の事例を「明日は我が身」と思って、事前準備を怠らずに日々過ごしましょう。
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