2021年に入ってもリストラの話題が尽きない製薬業界。外資系がメインに行われてきたリストラ(早期退職)も国内中堅製薬会社までついに行われてしまいました。
会社は「早期退職」なんて言葉を使って、うまいこと特別退職割増金があることを良いことに「セカンドキャリア」をなんて言ってますが、事実上の解雇に近い方も多数いらしゃるのも事実です。
当ブログでも再三申し上げておりますが、会社がリストラ(早期退職)を実施する半年前にはリストラの時に「辞めて欲しい人」の人選はすでに始まっております。
いざリストラ(早期退職)が発表された時に、いきなり仕事を頑張り始めても時すでにおそし・・なのです。
残念ながらリストラ(早期退職)で選ばれてしまった人というのは、何かしら選ばれる「要因」を持ってしまっております。
そこで会社からリストラ(早期退職)が発表された時に「リストラ要員」にならないために、実際にリストラの生の現場を経験した私が、「肩叩き」された方から「肩叩きされた要因」について聞いてみました(相手から話してくるケースが大半でしたが・・)
最近は会社が体力のあるうちにリストラ(早期退職)を断行するケースが増えてきております。協和発酵キリンや中外製薬がその典型です。
製薬会社に勤めている限り、今後どの会社で急にリストラを発表するかわからない世の中となりました。今後迫りくるリストラ(早期退職)に備えて肩叩きされないための対策について私の実体験と聞き取りから考えて参ります。
45歳以上でMR経験しかない人
2019年10月に行われたMSDのリストラでは対象年齢が30歳以上となっており、年齢にかかわらず多くの方が「肩叩き」されたと聞いております。
でもやはりリストラ(早期退職)のターゲットとされるのは「45歳以上でMR経験しかない人」の多くが「肩叩き」される傾向にあります。
正直45歳以上でMRしか経験のない方は自社に残っても他社に転職するにしても潰しが効きません。これだけ流動的な時代にキャリアの幅が狭いと判断され、激動の時代を生き残る人材として役不足と、判断されてしまうのです。
ではどのように対策すれば良いのでしょうか? それは潰しが効くキャリアを身に付ければ良いのです。その一例が組織に影響を与えることが出来る資格を身につける、又はMR以外の部署を経験する事です。
製薬会社MRに必要な資格一覧についてはこちら!↓↓
45歳になってから行動を起こすのはもはや手遅れですので、20代の人でも製薬業界で働き続けたいのであれば、早いうちから行動を起こすのがベストです。
KPI未達成が続いている人
KPI(Key Performance Indicator)は、多くの製薬会社で評価の基準として用いられているものであり、「重要経営指標」「重要業績指標」などと訳されております。
具体的には「訪問回数」「訪問率」「ディテール数」「実績達成率」などが主な指標になります。これは正直入力したもの勝ちのところがありますが、このKPIが常に未達の人が「肩叩き」の要因になることもあります。
製薬会社の本社は見た目の数字でしか人を判断しません。そんな時に何を用いてリストラ要因を捻出するかといえば、KPIしか無いのです。
実際にハイパフォーマーでも会社が求めているKPI未達が続いているのであれば「できない人」というレッテルを貼られてリストラ要員になってしまいます。
やたらと嘘でたらめに訪問計画とディテール数を日報に入力して目標を達成させている輩がおりますが、未達が続くよりもまだマシです。
会社はこんなところまでリストラ要因にしてきますので、日報のKPIに否定的な人でもここは心を入れ替えて毎日入力するクセを付けましょう!
組織にとってマイナスな人
組織(支店や営業所)にとってマイナスな影響を与える方もリストラ要員になってしまいます。
これはあまり若い方が対象になる人は見たことが有りませんが、ある程度のベテラン社員や中堅社員が該当致します。このような位置付けで、会議などでネガティブな発言をする方やKPIが未達な方がリストラ要因になります。
営業所や支店に必ず一人はマイナスオーラを放っている人はおりませんか?
このご時世会社は何事にもポジティブで出世意欲が高い方に残ってもらいたいと考えますし、逆にネガティブで「今のままで良いです〜」という現状維持思考も方には去ってもらいたいと考えております。
ご自身の中でネガティブ思考になっていると気がついた方は、何事もポジティブに考えるクセを今のうちから身につけておきましょう!
デジタルに否定的な人
私が以前在籍していた会社でリストラが行われた際には会社が提供する「デジタル」に否定的な方や使いこなしていない方をチェックして、うまいことリストラ要因にしてました。
医療機関の訪問規制が進む中、MRの訪問頻度やディテールの質は確実に落ちております。そんな中、数年前から製薬会社各社が力を入れ始めたのが「デジタル」です。
予め入手した医師や薬剤師のメールアドレスに会社が用意した品目関連のコンテンツやWebセミナー視聴の案内などを送付して、実際の訪問をカバーするというツールです。
私はこのデジタルツールは使い様によっては無駄な訪問をしなくても良くなり、働き方改革にも繋がると思って前向きに捉えております。
しかし「MRは足で稼いでなんぼ!」と未だに古風な考え方のMRが存在するのも事実です。
しかしそんな古い考え方でデジタルを受け入れない方は今後リストラ要員になる事は間違いありません。流動的な医薬品業界において、会社もどんどん新しいことを取り入れようとしてきます。
それら全てを受け入れなければいけません。今後はデジタルを用いたMR活動に主眼を置くことに頭を切り替えるようにしましょう。
訪問計画と駐車場・高速道路の明細の整合性が取れていない人
これは極論なのですが、最後の最後に会社が奥の手として出してくるのが、日報と駐車場や高速道路の時間の整合性です。
リストラ時に肩叩きにあったが「辞めます」という返事をもらえない方に究極の選択として会社が提示してくることがあると聞いております。
具体的なやり取りの例をお示しすると、
会社側「あなたは◯月◯日に◯◯病院に訪問したことになっているが、実際には違う場所の駐車場領収書が出てきてます。どういうことですか?これは虚偽報告ということですね。そんな方に会社に残ってもらうわけにはいきません。これを機会に次のキャリアを考えてみては如何ですか?」
といった具合に粗探しをしてくるわけです。こんなカードを出されたらたまらないですよね。こんな時のためにも日頃からの日報と駐車場の時間の整合性は意識するようにしておきましょう。
【製薬会社リストラ体験者が語る】早期退職で肩叩きされる要因と対策!まとめ
以上が私が実際にリストラの生の現場を経験した体験からと、実際に「肩叩き」に会った方から聞いた「肩叩きの要因」です。
よく振り返って頂きたいのですが、上記でご紹介した「リストラ要因」は日頃からキチンと社内外のMR活動をしていれば何ら問題なくクリアできるものばかりです。
つまり製薬会社という恵まれた環境で、MRという自由度の高い仕事をしていて「サボり癖」がついてしまった方が「リストラ要員」になってしまうのです。
「うちの会社はパイプラインが豊富で、俺は営業成績が上位なので安泰!」なんて思っては大間違いです。
今は会社が体力のあるうちにリストラ(早期退職)を実施します。誰しもが安心できる時代ではなくなりました。上記内容で心当たりのある方は、今すぐご自身の身の振り方を見直してみましょう。
コメント