最近会社を辞める若いMRが「辞めます!」と言った矢先、引き継ぎを全くせずにそのまま最終出社日まで有給休暇を消化するという出来事がありました。有給休暇は個人の権利なので、会社や上司がとやかく言うことは出来ませんが、辞めることにどんな理由があれ、今までお世話になった会社に何一つ引き継ぎすらしないで有給消化するというのは、人間性を疑ってしまいます。
私は今までその様な辞め方をしてきた方の悲惨な末路を見て参りました。悪い噂というのはずっと付いて回るものです。たとえリストラ(早期退職)や自己都合であっても引き継ぎをキチンとしないと、ゆくゆくは自分に跳ね返ってきますよ!というお話をさせて頂きます。
どんなに辞める会社が憎くても引き継ぎはきちんとするべき!
どんな理由があろうと引き継ぎをキチンとやってから退職しないと、ゆくゆく必ずと言って良いほどその影響が自分に跳ね返って参ります。特に今までMRをしていて、これから他社でMRをされる方はなおさらです。
そういう私はどうだったかと申しますと、過去退職した4社では「ここまでやる?」というくらい自画自賛の引き継ぎをして参りました。というのも新卒で入った医薬品卸の会社で、ろくに引き継ぎをしないで某国内中堅製薬会社のMRに転職した先輩がおりましたが、結局同じエリアに配属になったものの引き継ぎがお粗末だったこともあり、得意先はもちろん、そのエリアの製薬会社MRからの評判も悪くなり、結局本人が仕事がしづらくなってしまったのを見たからです。
この反面教師の先輩を見て「自分はキチンと引き継ぎをしよう!」と心に誓いました。退職届けを会社に出して引き継ぎをしている最中や退職日までは同僚からの扱いや会社からの扱いは気持ちの良いものではありません。この間「さっさっと辞めてしまいたい!」という気持ちに晒されるでしょう。しかしここは「今後の自分のため!」と思い、引き継ぎをキチンとこなすことで、必ず自分にとってプラスな将来が見えてきます。
引き継ぎをキチンとする = その人の人間性を表す
私は4回の転職を経験しましたが、その間9回の引っ越し(転勤)も経験致しました。製薬会社MRの方ならどなたでもご経験があると思いますが、行き先々で過去担当していたエリアのMRやMSとばったり遭遇することが多々あると思います。
過去退職した会社で担当エリアの引き継ぎをしないと、その悪い噂がドンドン大きくなり、MSは愚か他社MRの耳にまで入ります。そしてその悪い噂は県を跨いで、赴任先でばったり会った時には、その時の悪い噂を他社MRに流されてしまうものです。
一旦悪いイメージが付いてしまったMRのイメージダウンはなかなか覆すことは出来ません。MRとして次の会社に行ったのならば、その噂ものちに必ずその会社のどなたかの耳に入り、そのうち上層部にまで必ず知れ渡ります。そうなると信頼も失墜どこらか、せっかく転職したのにキャリアアップを果たす事すら難しくなります。
引き継ぎをキチンとするということは、その人の人間性をも示します。私も100%完璧な引き継ぎが出来たかというとそうではありません。どうしても面会が叶わずお手紙やメールで引き継ぎのご挨拶が終わってしまった医師や薬剤師の先生というのは、今でも心にしこりが残っております。キチンと引き継ぎをしないと、必ず後悔するものだと思うのですが、みなさまいかがでしょうか?
そして今後も他社でMRをされるのなら、いつまた同じエリアを担当するかわかりません。会社から「そこのエリアの事情を理解している」と見なされ、数年後に赴任する可能性はかなりあります。「昔他社でこのエリアを担当してました」というMRをこれまでかなりの数、見て参りました。そう考えると、有給休暇消化なんてそっちのけで引き継ぎしようと思いますよね?!
というよりかは、得意先や会社、そして医薬品卸MSなどMRとして多少なりともお世話になった方へ、引き継ぎをしないというのはMRとして、そして社会人としても失格です。また会社としても得意先から見て大きなイメージダウンにもなります。多少なりともお世話になった会社へ恩返しをしましょう。
早期退職なら有給買取を使いましょう!
早期退職(リストラ)に伴う退職ならば、ほとんどの会社で有給買い取り制度があります。1日あたり2万円~5万円で買い取りをしてくれるケースがほとんどです。有給がフルで40日残っていて、5万円で買い取りしてくれるなら200万円になります。普通に退職した場合は退職金も通常、そして有給買い取りもありません。ここは「有給買い取り制度」をフルで使ってしまった方が得です。
しかし早期退職(リストラ)に伴う退職の場合、色んな思いがあると思います。会社が憎くて仕方がない方もいらっしゃるでしょう。しかし会社以上にお世話になった医師や薬剤師、そして医薬品卸のMSがいらっしゃいます。そしてそれに有給買い取りもついてきます。最後に仁義を尽くす意味でキチンと引き継ぎをすることで、今後MRを辞めるにしても、必ず将来の自分に跳ね返ってきます。
MRが会社を辞める時!きちんと引き継ぎをしないとひどい目にあいますよ! まとめ
早期退職(リストラ)や自己都合による退職、そして怒り任せに辞表を叩き付けた退職など、ひとそれぞれの退職パターンはあるかと思いますが、どちらにしてもきちんと引き継ぎをしないと、その方の悪い噂というのは必ず次の職場にまで付きまといます。それが他社でMRを続けるのならなおさら、そして他業種に転職しても同様です。
そして引き継ぎとは、その人の人間性を大きく表します。キチンとした引き継ぎ書を作成したり、訪問していた医師や薬剤師には必ず引き継ぎと退職のご挨拶をするということは社会人としての常識であり、これが出来ない方は製薬会社MRをする資格すらないと思います。
引き継ぎをきちんとしないで有給をフルで使った代償は必ず将来、自分に跳ね返ってくることを忘れないでください!
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